クリニック・歯科の看板|「○○外来」はNG?書ける内容と種類・費用・開業前の準備

クリニックの看板 書ける内容と費用

※2026年10月時点の情報です|執筆:CUVIC大阪 看板施工チーム(屋外広告士在籍)|医療広告の基準は、厚生労働省「医療広告ガイドライン」(2024年9月13日最終改正)とQ&Aで確認しています

クリニックや歯科医院の看板は、飲食店や美容室の看板と同じ感覚で作ると、あとで作り直しになることがあります。医療機関の看板は医療法でいう「広告」にあたり、書ける内容が決められているからです。たとえば「糖尿病外来」「最先端の医療」「地域No.1」は、どれも看板には書けません。

一方で、患者さんが看板から知りたいのは、何科なのか、何時まで診てもらえるのか、入口はどこなのか、といった基本的な情報です。ルールの範囲でそれをどう伝えるかが、クリニックの看板づくりの中心になります。以下では、書ける内容の線引きから、立地ごとに必要な看板と費用、見やすさの目安、開業日から逆算した準備まで、順に見ていきます。

住宅街の角にある内科クリニックの外観。入口の上の壁面に院名と診療科、入口の横に診療時間の案内がある
クリニックの看板は、何科で、何時まで、どこから入るのかを伝える役目を担います

クリニックの看板は「広告」。書ける内容は医療法で決まっている

医療機関の広告のルールは、医療法と、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」で定められています。ガイドラインは広告にあたる媒体として「看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)」をはっきり挙げています。建物の袖看板や壁面看板だけでなく、離れた場所の野立て看板や駅の看板、送迎車に入れた院名も対象です。

反対に、待合室のポスターや院内の案内表示は、見る人がすでに受診している患者さんに限られるため、広告にはあたらないとされています。ただ、窓に外向きに貼るポスターやシートは、通りがかりの人の目にも入ります。こちらは看板と同じ基準で考えるのが無難です。

もうひとつ押さえておきたいのが、医療機関の広告は「書いてよいこと(広告可能事項)」が決められていて、それ以外は書けない仕組みになっている点です。書いてはいけない表現を避けるというより、書いてよいことの中から選ぶ、と考えたほうが判断を誤りません。

看板に書ける主な内容

書ける内容 看板での書き方の例
名称 「○○内科クリニック」(届け出た正式名称。その医療機関だと分かる略称や英語名も可)
診療科名 「内科・消化器内科・糖尿病内科」「歯科・小児歯科・矯正歯科」
診療日・診療時間 「月〜金 9:00〜12:00/16:00〜19:00」「日・祝 休診」
予約・連絡先 「予約制」、電話番号、ホームページのURL
場所の案内 「○○ビル2F」「この先50m」
医師の氏名・略歴 「院長 ○○ ○○」。写真やイラストで表してもよい
専門医の資格 「日本○○学会認定 ○○専門医」(国が広告を認めた資格に限り、認定団体名を添える)
保険医療機関などの指定 「各種保険取扱」
バリアフリーの設備 「バリアフリー対応」
開院前の内覧会 「内覧会 ○月○日(土)」

※主なものを抜き出しています。診療科名は、実際に届け出て標榜している名称に限ります。

看板に書けない表現と、書き換えの例

よく見かける表現でも、看板には入れられないものがあります。デザインの段階で、次のような言葉が入っていないか確認してください。

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入れたい表現 書けない理由 書き換えの例
胃腸科 2008年の改正で、診療科名として広告できなくなった名称 消化器内科
糖尿病外来 「○○外来」は診療科名と誤解されるため広告できない 糖尿病内科
最先端の医療 「最先端」「最適」は誇大広告にあたる 削除する
地域No.1、日本一 他の医療機関より優れていると示す比較優良広告にあたる 削除する
絶対安全な手術 虚偽広告にあたる 削除する
今なら○円でキャンペーン実施中 費用を強調する広告は品位を損ねるとされる 削除する
○○医院 糖尿病クリニック 名称は正式名称に限られ、サブネームは付けられない ○○医院
審美歯科 歯科の診療科名は「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」に限られる 歯科・矯正歯科

※書き換えの例は、その診療科名を標榜している場合です。出典:厚生労働省「医療広告ガイドライン」、同「医療広告ガイドラインに関するQ&A」

ホームページに載せている表現でも、看板には使えないことがある

ホームページでは、問い合わせ先をはっきり示し、自由診療なら費用やリスクも説明する、といった条件を満たすと、広告できる範囲を広げられます(限定解除)。これは患者さんが自分で調べて見に来る媒体を前提にした仕組みで、通りがかりの人の目に入る看板は対象外です。ホームページに「○○外来」と載せているクリニックでも、同じ言葉をそのまま看板に入れることはできません。

「最新」は、何年も掲げる看板では避けたい

「最新の医療機器」のような表現は、事実であればすぐに禁止されるものではありません。ただし厚生労働省のQ&Aでは、より新しい機器や治療法が広まった後も「最新」と表示し続けると、虚偽広告や誇大広告にあたるおそれがあるとしています。看板は一度付けると10年近く使うことも珍しくありません。数年で事実でなくなる言葉は、ホームページなど書き換えやすい媒体で伝えるほうが向いています。

判断に迷う表現は、看板を発注する前に管轄の保健所に確認しておくと確実です。ガイドラインに反する広告は、保健所などから中止や是正を求められることがあり、そうなれば看板の作り直しが必要になります。

立地で変わる、クリニックに必要な看板

患者さんがクリニックにたどり着くまでには、近くにあると気づく、建物と入口を見つける、迷わず受付まで行く、という段階があります。どこでつまずきやすいかは立地によって違うので、必要な看板の組み合わせも変わります。

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立地 つまずきやすい点 必要になりやすい看板
ビルの2階以上 通りから、どの建物の何階にあるのか分からない 袖看板(階数も入れる)、1階入口の案内、エレベーター前の案内
路面(1階) 気づかずに前を通り過ぎてしまう 壁面看板、入口のスタンド看板やプレート、窓のシート
郊外の戸建て・ロードサイド 車からだと見落としやすく、駐車場の入口も分かりにくい 駐車場の入口の自立看板、壁面の院名、手前の道沿いの野立て看板
医療モール・クリニックビル 共用の案内板の中で、ほかの医院に埋もれる 共用の案内板(枠はビル側で決まっていることが多い)、自院の入口のサイン

ビルの2階以上に入る場合は、袖看板が通りからの目印になります。院名と診療科に加えて「2F」と階数を入れておくと、建物の前まで来た患者さんがそのまま入口を探せます。歩道の上に突き出す袖看板は、道路の占用許可が必要になることが多いので、大きさと高さの基準は、袖看板の費用と許可の解説にまとめています。テナントの場合は、看板の位置と大きさについて、事前にオーナーや管理会社の承諾も必要です。

雑居ビルの2階に入る内科クリニックの袖看板。院名・診療科と「2F」の表示が通りから見える
ビルの2階以上なら、袖看板に階数まで入れておくと迷わせません

袖看板は、通りを歩いて近づいてくる人に、正面から見せる看板です。CUVICグループの施工事例では、東京都の商店街にある歯科医院で、歩行者の目線に入る高さに直径60cmの丸いLED袖看板を2台取り付けました。表示はオレンジの地に歯のイラストだけというシンプルなもので、歯科であることが一目で伝わるデザインです。費用は10万円以内(施工費は別)でした(施工事例を見る)。

郊外の戸建てやロードサイドでは、車で来る患者さんが中心になります。駐車場の入口に立てる自立看板は、院名よりも「ここが入口」と分かることを優先し、手前の交差点の先から見えるかどうかで高さを決めます。離れた場所に立てる野立て看板は、自分の敷地に立てる看板とは許可の扱いが変わるため、野立て看板の費用と許可の解説もあわせてご覧ください。

郊外のクリニックの駐車場の入口に立つ自立看板と、建物の壁面に取り付けた院名の切り文字
車で来る患者さんには、駐車場の入口が分かることがいちばん大切です

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看板ごとの費用の目安

費用は、看板の種類と大きさ、照明の有無、取り付ける高さで大きく変わります。看板ごとの目安は次のとおりです。

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看板 費用の目安 補足
袖看板(突き出し看板) 本体 約5万〜15万円(照明なし)
約8万〜30万円(LED内照式)
公開相場の一例。取付工事は別
壁面看板 製作 77,000円〜 データ作成費・取付工事は別
野立て看板 看板面 55,000円〜 支柱・基礎工事、土地の使用料、許可申請は別
入口のアクリル看板 8,800円〜 200×200mm・厚さ3mmの場合
取り付け工事 33,000円〜 取付高さ4m以上は高所作業車(33,000〜66,000円)が加わる

※壁面看板・野立て看板はかんばんの救急車「料金表」の公開価格、アクリル看板と工事費はCUVICの料金の目安(いずれも税込)。袖看板は公開されている相場をもとにした一例です。

工事費が大きく変わるのは、取り付ける高さと場所です。取付高さが4mを超えると高所作業車が必要になり、歩道に作業車を停めるなら、道路使用許可の申請(代行33,000円〜)や交通誘導警備員(22,000円〜)の費用も加わります。開業前に看板をまとめて取り付ければ、こうした費用を1回分で済ませられます。種類ごとの詳しい費用は、壁面看板とアクリル看板の解説で紹介しています。

屋外広告物の許可が必要かどうかも、費用と日程に関わります。自分のクリニックの建物や敷地に出す看板は「自家用」の広告物で、一定の大きさまでなら許可がいらない自治体が多くあります。大阪市では、1物件あたりの表示面積が7㎡以内の自家用広告物は許可不要です。一方、離れた場所に立てる野立て看板は自家用にあたらないため、許可が必要になるのが一般的です。

看板一式の費用をまとめて知りたい方へ

袖看板・壁面看板・入口のサインなど、必要な看板を一度に見積もると、取り付け工事も1回で済みます。物件の写真や図面、おおよそのサイズをお送りいただくとスムーズです。

0120-944-599受付時間:平日 9:00〜17:00(土日祝休み)

遠くから読める文字の大きさと、夜の見え方

文字の高さは「読ませたい距離×4mm」が目安

看板の文字の大きさには、公共の案内サインで使われている目安があります。歩いている人が読む場合、和文の文字の高さは次のとおりです。

見る距離 和文の文字の高さ
0.5m 5mm
1〜2m 9mm
5m 20mm
10m 40mm

出典:公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター(「国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針」より)

5m以上離れて読む看板なら、「距離(m)×4mm」で計算できます。通りの向かい側、15mほど先から院名を読ませたいなら6cm、30m先の交差点からなら12cmが目安です。これは歩行者向けの数字なので、車から読ませる野立て看板や自立看板では、さらに大きくします。高齢の患者さんが多い診療科なら、余裕を持たせておくと安心です。看板全体の大きさの決め方は、看板サイズのまとめも参考になります。

通りの向かい側の歩道から見た、内科クリニックの壁面看板。院名と診療科が大きく読みやすく表示されている
遠くから読ませる看板は、院名と診療科に絞ると文字を大きくできます

文字を大きくするには、遠くから見る看板の情報を院名と診療科に絞るしかありません。診療時間や休診日は、患者さんが立ち止まって読む入口のプレートやスタンド看板に回します。診療時間は、医師の増員や曜日の変更で意外と変わるものです。入口の診療時間の表示は、その部分だけ差し替えられる作りにしておくと、変更のたびに看板全体を作り直さずに済みます。

クリニックの入口横に取り付けた、診療時間と休診日を表示したプレート看板
診療時間の表示は、差し替えられる作りにしておくと変更に対応しやすくなります

冬の夕方は、診療時間の途中で日が暮れる

大阪の12月の日の入りは16時50分前後です(国立天文台)。夕方の診療が19時までなら、冬は2時間以上、暗いなかで看板を見てもらうことになります。照明のない看板は、仕事帰りに受診先を探す人の目に入りにくくなります。看板の内側から光らせる内照式か、ライトで外から照らす外照式かは、建物の雰囲気と予算で選びます(内照式と外照式の違い)。

すでに照明がある看板も、暗くなっていないか確認しておきたいところです。CUVICグループの事例では、富山県の医療機関で、壁面看板と玄関を照らしていた300Wのレフ球の照明を、LEDの照明器具13灯に交換し、消費電力を以前の約9分の1に抑えました。費用は40万円以内(施工費は別)です(施工事例を見る)。蛍光灯の看板をお使いなら、看板の蛍光灯のLED化も早めに検討してください。

冬の夕方、日が暮れた住宅街で、内照式の看板が明るく点灯している内科クリニックの外観
冬は夕方の診療時間のうちに暗くなります

色だけで区別しない

色の見え方には個人差があり、赤と緑の見分けがつきにくい人は、日本では男性の約20人に1人、女性の約500人に1人とされています(NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構)。「診療中」と「休診」を赤と緑の色だけで分ける表示は、伝わらない人がいるということです。文字でも書き分け、文字と背景の明るさの差をはっきりつけておくと、誰にでも読みやすくなります。

開業日から逆算した、看板の準備の進め方

看板は内装工事の終わりごろに取り付けることが多いものの、決めることは早い時期から始まります。開業日から逆算すると、おおよそ次の流れになります。

時期の目安 看板まわりで進めること
6か月前ごろ 院名・ロゴ・標榜する診療科を決める(看板の文字のもとになる)
4〜3か月前 物件で看板を出せる場所を確認する(オーナー・管理会社の承諾、袖看板の道路占用、野立て看板の土地探し)
3〜2か月前 デザインと見積もり。文言を医療広告ガイドラインと照らし合わせる
2か月前〜 屋外広告物や道路占用など、必要な許可を申請する
1か月前〜 製作(2〜3週間ほど)。内装工事の終盤に合わせて取り付ける
開院前 内覧会の告知(内覧会の実施に関することは広告できる)
開設後10日以内 保健所に診療所開設届を出す(医師が開設する場合。大阪市の例)

最初に決める院名は、保健所に届け出る名称と同じにします。看板に入れてよいのは届け出た正式名称(または、その医療機関だと分かる略称や英語名)だからです。ロゴも、看板の発注前に確定させてください。CUVICグループの事例では、千葉県の歯科クリニックでロゴが変わり、幅4.9m×高さ1.8mの壁面のプレート看板を作り直しました。看板本体は10万円以内でしたが、高所作業車と道路使用許可の申請も必要になっています(施工事例を見る)。このときは3年前の施工時のデザインデータが残っていたため、同じサイズで滞りなく製作できました。看板のデータは、開業後も保管しておくと役に立ちます。

打ち合わせのテーブルに広げた、クリニックの看板のデザイン案と建物の立面図
院名・ロゴ・診療科が決まった段階で、看板の配置とデザインを詰めていきます

クリニックの看板についてよくある質問

院長の顔写真やイラストを看板に入れてもいいですか?

入れられます。医師の氏名など広告できる事項は、文字だけでなく写真やイラストで表してもよいとされています(厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」)。

院内の案内表示に「○○外来」と書いてもいいですか?

院内の掲示は、見る人が受診中の患者さんに限られるため広告にあたらず、書いても問題ありません。ただし、窓に外向きに貼る表示は通行人の目に入るため、看板と同じ基準で考えてください。

駅の看板や電柱の広告、送迎車の院名にも同じルールが適用されますか?

適用されます。医療広告ガイドラインは、看板に建物や電車、自動車などに記載されたものも含むとしています。院外に出すものは、媒体にかかわらず広告として考えます。

開院前に、内覧会の案内を看板で出してもいいですか?

出せます。開院前の住民向けの説明会(いわゆる内覧会)の実施に関する事項は、広告できるとされています。

専門医であることを看板に書けますか?

国が広告を認めた資格に限り、「医師 ○○○○(××学会認定××専門医)」のように認定団体名を添えて書けます。

看板の文言に問題がないか、どこで確認できますか?

クリニックの所在地を管轄する保健所(医療広告の担当)に相談できます。看板は作り直すと費用がかかるので、発注前に確認しておけば無駄がありません。

看板の相談の前に、用意しておくと話が早いもの

見積もりやデザインの相談は、次のものがそろっていると具体的に進められます。すべてそろっていなくても、分かる範囲で大丈夫です。

  • 物件の外観・入口・前の通りの写真
  • 図面(平面図・立面図。テナントなら看板を出せる位置が分かるもの)
  • 院名・ロゴ・標榜する診療科・診療時間
  • 開業予定日と、内装工事のスケジュール

院名と診療科、開業日が決まった段階でご相談いただければ、立地に合った看板の組み合わせと費用をご提案します。

クリニック・歯科の看板はCUVIC大阪へ

袖看板・壁面看板・入口のサインから院内の案内表示まで、デザインから製作、取り付けまで一括で承ります。お見積もりは無料、全国50拠点のネットワークで対応しています。

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