看板のフォントおすすめ|見やすい書体の選び方と無料フォント、文字の大きさ・入稿データ・AI画像での頼み方

看板の文字は、遠くから読ませる店名や電話番号なら、線の太さがそろった角ゴシック体を、中太から太字(Medium〜Bold)で使うのが基本です。無料で商用にも使えるフォントなら、源ノ角ゴシックと同じ書体のNoto Sans JPや、Windowsにも入っているBIZ UDPゴシックがあります。明朝体・丸ゴシック体・筆文字は、店の雰囲気を出したい店名に使い、営業時間などの細かい文字はゴシック体にそろえます。

たとえば道の向かい側(約10m)から店名を読ませるなら、文字の高さは4cm以上が目安です(国土交通省のガイドライン)。同じ距離でも明朝体は不利で、JIS S 0032の推定式で計算すると、読める限界の大きさはゴシック体より2割近く大きくなります。明朝体の横線は、細い字から極太まで、文字の大きさの約3%しかないためです。この記事では、書体や太さの違いを図で比べ、無料フォントのライセンス、文字の大きさ、入稿データの作り方、ChatGPTなどのAIで作った画像で看板を頼むときの解像度と注意点まで、まとめました。

看板の文字 書体と太さ
店名・業種
遠くから読ませる
角ゴシック体のBold〜Black。字数が少ないほど太くできる
電話番号・営業時間
細かい案内
角ゴシック体・UDフォントのMedium〜Bold。細い書体は避ける
和の店名
和食・旅館・寿司
明朝体・筆文字を大きく。案内の文字はゴシック体に
やさしい印象
子ども・医院・カフェ
丸ゴシック体のMedium〜Bold
英語の店名 線の太さがそろった欧文(サンセリフ)。筆記体はロゴだけに
切り文字・カッティング
文字を形に切る
細い線のない書体。明朝体の小さな文字は避ける
写真の上の文字 ふち取りか、文字の下に帯を敷く

※太さの名前(Medium・Boldなど)はフォントによって違います。無料フォントの例と、看板に使えるかは後の節にまとめました。

なぜ看板の文字は、明朝体よりゴシック体が見やすいのか

明朝体Noto Serif JP Regular角ゴシック体Noto Sans JP Bold近くで見る遠くから見たイメージ(同じ大きさ・同じぼかし)横線の太さ(「一」を拡大)文字の大きさの約3%30cmの文字なら約9mm文字の大きさの約13%30cmの文字なら約39mm
明朝体と角ゴシック体の比較(文字はNoto Serif JP/Noto Sans JPのデータから描画。遠くの見え方はぼかしで再現したイメージ)

明朝体は、縦の線が太く、横の線が細い書体です。横線の終わりには「うろこ」と呼ばれる三角の飾りが付きます。ゴシック体は、縦も横も同じ太さで線を引いた書体です。無料フォントのNoto Serif JP(明朝体)とNoto Sans JP(ゴシック体)のデータから、「一」のような単純な横線の太さを測ると、明朝体は文字の大きさの約3%、ゴシック体の太字(Bold)は約13%でした(画数の多い字では、ゴシック体の太字でも横線は6〜9%ほどに細くなります)。30cmの文字なら、明朝体の横線は約9mm、ゴシック体の太字は約39mmです。

遠くから見ると、細い線から先に、まわりの地の色に溶けて薄く見えます。図の下段は、同じ大きさの文字に同じぼかしをかけたもので、明朝体は横線が薄くなり、「喜」「整」の形がぼやけます。国土交通省のバリアフリーのガイドライン(旅客施設編)も、案内の文字には「視認性の優れた角ゴシック体」が望ましいとし、色の違いを見分けやすくするには「文字は極力太い書体を用いると視認しやすくなる」とも説明しています。

読める限界の大きさは、明朝体のほうが2割近く大きい

角ゴシック体明朝体0mm20mm40mm60mm80mm100mm5m5m・角ゴシック体:約15mm約15mm5m・明朝体:約18mm約18mm10m10m・角ゴシック体:約30mm約30mm10m・明朝体:約35mm約35mm20m20m・角ゴシック体:約58mm約58mm20m・明朝体:約69mm約69mm30m30m・角ゴシック体:約87mm約87mm30m・明朝体:約103mm約103mm
JIS S 0032(日本語文字の最小可読文字サイズ推定方法)の式で計算した、読める限界の文字の大きさ(視力1.0、画数5〜10の漢字、1pt=0.3528mmで換算。もとの実験の距離は0.3〜5mで、それより遠い値は式を延ばしたもの)

JIS S 0032(日本語文字の最小可読文字サイズ推定方法)は、見る人の年齢・距離・明るさから、1文字を読める最小の文字の大きさを計算する方法を決めた規格です。もとになった産業技術総合研究所の研究では、10〜70歳代の111人の視力の測定と、20歳代・60〜70歳代の計92人が日本語の文字を読む実験から、書体(ゴシック体・明朝体)と文字の種類ごとに式の係数が決められました。その式で、視力1.0の人が画数5〜10の漢字を読める限界を計算すると、10m先ではゴシック体が約30mm、明朝体が約35mm。距離が延びても、明朝体はゴシック体の約1.2倍の大きさが要ります。明朝体が不利になる理由として、研究が挙げるのは線の細さです。

ただし、これは「ぎりぎり読める」大きさです。看板の文字は、次の節の表(国土交通省の目安)のように、これより余裕をもった大きさにします。また、明朝体が読みにくいのは、遠くから短い言葉を読ませる看板の話です。近くで読む長い文章では、大きさによって明朝体のほうが早く読み終えたという実験(日本デザイン学会、2019年)もあり、メニューの説明文などに明朝体を使うのは問題ありません。

道路の向かい側の歩道から撮った、白い壁面看板に紺色の太い角ゴシック体で「ひなた食堂」と書かれた2階建ての店舗の外観
道の向かい側(約10m)から店名を読ませるなら、角ゴシック体の太字で4cm以上が目安

太さ(ウエイト)は、中太から太字を選ぶ

角ゴシック体(Noto Sans JP)LightRegularBoldBlack横線約5%約8%約13%約16%縦線約5%約8%約13%約16%明朝体(Noto Serif JP)LightRegularBoldBlack横線約3%約3%約3%約3%縦線約6%約7%約13%約16%
太さ(ウエイト)による違い。上段はそのまま、下段は遠くから見たイメージ(ぼかし)。横線・縦線の太さは文字の大きさに対する割合(Noto Sans JP・Noto Serif JPのデータから測定)

同じゴシック体でも、太さで読みやすさが変わります。Noto Sans JPでは、細字(Light)の線は文字の大きさの約5%、標準(Regular)は約8%、太字(Bold)は約13%、極太(Black)は約16%。図の下段のとおり、細字は遠くから薄く見え、極太は「整」「骨」のように画数の多い字の中が詰まって黒くつぶれ始めます。日本語のフォントの太さと読みやすさを調べた研究(照明学会誌、2017年)でも、小さな文字では太さの効果が大きく、線を太くする効果は文字の大きさの10〜15%程度で頭打ちになりました。看板の店名や電話番号は、中太(Medium)から太字(Bold)が無難です。

極太は、2〜4文字の短い店名やロゴなら、遠くからでも目立ちます。中から光る看板(内照式)で白地に黒い文字を出すと、光の影響で線が印刷物より細く見えやすいと国土交通省のガイドラインが注意しているので、印刷の看板よりひと段階太めを選びます。明朝体は、太字にしても横線の太さは約3%のまま変わりません。明朝体で遠くから読ませたいときは、太さではなく文字の大きさで補います。

太さの呼び方はフォントによって違い、「Light・Regular・Bold・Black」のほか、「W3・W6・W8」(数字が大きいほど太い)、「L・R・M・B・H」のように書きます。デザインを頼むときに「太め」と伝えるより、「Bold」「W6くらい」と名前で伝えると、イメージのずれが少なくなります。

文字の大きさは、読ませる距離から決める

読ませる距離 文字の高さの目安
1〜2m
店の前・カウンター
9mm以上
メニュー・営業時間の細かい文字
4〜5m
店の前の歩道
20mm以上
A型看板・ガラスの文字
10m
道の向かい側
40mm以上
壁面看板の電話番号
20m
少し先の歩道
80mm以上
袖看板・壁面看板の店名
30m
交差点の向こう
120mm以上
袖看板・屋上の店名
50m
車から(延ばした値)
200mm以上
野立て看板・ロードサイドの店名

※国土交通省「公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン 旅客施設編」(令和7年9月)の「文字の大きさの選択の目安」(和文)。駅などの案内表示の「最低限の目安」で、角ゴシック体の文字の高さです。50mの行は、同じ比率(距離1mあたり約4mm)で延ばした値です。

表の文字の高さは「木」の字の高さで、フォントの大きさ(文字の枠)は、Noto Sans JPならこれより6〜9%ほど(太字で約6%)大きくなります。英字は、同じ距離なら和文の約4分の3の高さで読めます(10mで和文40mm、英文30mm)。明朝体や細い書体を使うなら、前の節の計算のとおり、表の値より2割ほど大きくします。看板全体の大きさの決め方は看板のサイズ、見る距離ごとの文字の高さと目の高さの図はサイン工事の記事が参考になります。

紙の印刷に慣れた方は、看板のサイズ感に戸惑うことがあります。A4のチラシで見出しに使う30ptの文字は高さ約1cmで、表と同じ比率なら読めるのは2〜3m先までです。同じデザインを看板の大きさに拡大するなら、まず「何m先の誰に読ませる文字か」を決め、表から逆算して文字数を減らします。

長体・字間・ふち取りで、読みやすさが変わる

そのまま遠くから見たイメージそのまま横幅100%長体横幅80%長体横幅60%
文字を細長くする「長体」の比較(Noto Sans JP Bold。遠くの見え方はぼかしで再現したイメージ)

長い店名を看板の幅に収めようとして、文字を細長くする「長体」をかけることがあります。図のように横幅を60%まで細くすると、縦の線どうしが近づき、遠くからはくっついて見えます。80%なら見え方の差は小さいものの、それ以上細くしないと入らないときは、文字を少し小さくするか、2行に分けるか、看板の幅を広げることを考えます。字間(文字と文字の間)を詰めすぎても、隣の字とくっついて読みにくくなります。

✕ ふち取りなし◯ 濃い色のふち取り
写真やイラストの上に文字を置くときは、ふち取り(縁取り)や帯で背景と分ける

写真やイラストの上に文字を置くと、明るい部分と暗い部分が混ざった背景に文字が溶けます。文字に濃い色のふち取りを付けるか、文字の下に無地の帯を敷いて、背景と分けます。地の色と文字の色の明るさの差を大きくするのが基本で、色の選び方は目立つ看板の色の選び方で詳しく扱っています。

業種・印象で選ぶ書体とおすすめのフォント

読みやすさだけで選ぶなら角ゴシック体ですが、看板は店の顔でもあります。業種や伝えたい印象で書体を選び、店名以外の文字は読みやすいゴシック体にそろえる、という分け方がよく使われます。代表的な6つの書体を、看板にしたイメージで並べました。

白い壁面看板に、紺色の太い角ゴシック体で「あおば整骨院」と大きく書かれ、下に電話番号が入った整骨院の外観

1. 角ゴシック体(太字)

整骨院・クリニック・不動産・会社の看板

遠くからでも読める、いちばん失敗の少ない書体。店名も電話番号も同じ書体でそろえると、看板全体がすっきり見えます。

パステルカラーの看板に、丸みのある太い書体で「こども英語教室 ぽっぷ」と書かれた、明るい教室の入口

2. 丸ゴシック体

学習塾・子ども向け・歯科・パン屋

角が丸く、やわらかい印象になります。線の太さがそろっているので、太めを選べば遠くからも読みやすい書体です。

黒い木の板の看板に、白い明朝体で「割烹 ささめ」と縦に大きく書かれた、落ち着いた和食店の入口

3. 明朝体

和食・旅館・寿司・和菓子・士業の事務所

上品で落ち着いた印象。横線が細いので、店名だけを大きく入れ、営業時間などの細かい文字はゴシック体にします。

赤いのれんの上の黒い看板に、白い力強い筆文字で「麺屋 一閃」と書かれたラーメン店の外観

4. 筆文字(毛筆体)

ラーメン・居酒屋・焼肉・和菓子

勢いや手づくり感が伝わります。崩した字は読めないことがあるので、店名は読みやすい筆文字を選び、ふりがなや業種を添えます。

白い壁に、黒い太めの欧文で「CAFE MAPLE」と書かれた切り文字の看板と、その下に小さく「カフェ メープル」と入ったカフェの外観

5. 欧文(サンセリフ)

カフェ・美容室・アパレル・雑貨

線の太さがそろった欧文は、すっきりした印象で読みやすい書体です。初めての人にも読めるよう、カタカナの店名を小さく添えます。

淡いベージュの壁に、金色の筆記体で「Lumiere」と書かれ、下にセリフ体で「NAIL SALON」と入ったネイルサロンの看板

6. 欧文(セリフ・筆記体)

ネイル・ブライダル・ワインバー

高級感や華やかさが出ますが、筆記体は遠くからは読みにくい書体です。ロゴに限って使い、看板の大きさに余裕を持たせます。

※画像はイメージです(店名はすべて架空)。

無料で商用にも使えるフォント

パソコンに入っていない書体を使いたいときは、無料で配布されているフォントから選べます。次のフォントの配布のライセンスは、どれも看板やロゴに使えるOFLかApache 2.0です。

フォント 書体と向く文字
Noto Sans JP
角ゴシック体|OFL
源ノ角ゴシックと同じ書体。細字〜極太まであり、店名にも案内にも使える基本の書体
BIZ UDPゴシック
UDゴシック体|OFL
モリサワのUD書体(Regular・Bold)。電話番号・営業時間などに。Windows 10(2018年10月の更新)以降にも標準で入っている
LINE Seed JP
角ゴシック体|OFL
やわらかめのゴシック体(Thin・Regular・Bold・ExtraBoldの4種類)。2026年1月からGoogle Fontsでも配布
M PLUS Rounded 1c
Zen Maru Gothic
丸ゴシック体|OFL
子ども向け・医院・カフェに。遠くから読ませるなら太めの字を選ぶ
Kosugi Maru
丸ゴシック体|Apache 2.0
太さは1種類
Noto Serif JP
BIZ UDP明朝
Shippori Mincho
明朝体|OFL
和の店名を大きく入れるとき
Yuji Syuku
Yuji Boku
筆文字風|OFL
ラーメン・居酒屋などの店名
Dela Gothic One
極太の見出し用|OFL
短い店名や「SALE」など2〜4文字に
Montserrat
Roboto
欧文サンセリフ|OFL
英語の店名・営業時間の数字
Oswald
Bebas Neue
欧文の細長い見出し用|OFL
幅の狭い看板に英字を大きく入れるとき。Bebas Neueは大文字だけ
Playfair Display
欧文セリフ|OFL
高級感を出したいロゴ

※2026年10月20日時点。OFL=SIL Open Font License 1.1。どれもGoogle Fontsで無料でダウンロードでき、Noto Sans JP・BIZ UDPゴシックなどの作者・ライセンスは、Google Fontsの配布データ(GitHubのgoogle/fonts)で確かめました。ほかにも、源ノ角ゴシック・源ノ明朝(Adobe、OFL)があります。

有料のフォントには、看板の店名によく使われる太いゴシック体や、筆文字・デザイン書体がそろいます。モリサワ、フォントワークス、Adobe Fontsなどの定額のサービスで使えますが、ロゴや商標登録の扱いはサービスやプランで違うので、次の節の表で確かめます。

UDフォント(ユニバーサルデザインフォント)は、多くの人に読みやすいよう作られた書体で、モリサワは、文字の形がわかりやすいこと、文章が読みやすいこと、読み間違えにくいことの3つを考え方に挙げています。電話番号や営業時間のように、読み間違えると困る文字に向きます。ただし、効果を確かめた研究の多くは、手元で読む文書や画面の文字で行われたもので、看板の距離で試したものではありません。

そのフォント、看板に使っていい?ライセンスと著作権

書体のデザインそのものは、著作物にあたりにくいとされています。最高裁の判決(平成12年9月7日)は、印刷用の書体が著作物になるには、従来の書体と比べて顕著な特徴を持つ独創性と、それ自体が美術鑑賞の対象になり得る美しさの両方が要るとしました。一方で、パソコンで使うフォントのデータは、メーカーとの使用許諾(ライセンス)の範囲で使います。看板やロゴに使えるかは、フォントの入手元ごとに次のように決まっています。

フォントの入手元 看板・ロゴに使えるか
無料のフォント
OFL(Noto・BIZ UDなど)
看板・ロゴ・印刷物に、追加の許可なく使える。作った看板やロゴにOFLの条件はかからない
できない:フォントそのものを単体で売ること。OFLはフォント名などの商標の権利は与えない(フォントで作ったロゴの商標登録を禁じる定めはない)
Windows付属
游ゴシック・メイリオ
印刷物やその販売、ロゴづくりに制限はない(家庭・学生・非商用向けに限ったアプリで作った場合を除く)
できない:フォントのファイルを渡す・ほかのパソコンへコピーする
Mac付属
ヒラギノなど
Macの使用許諾契約は、付属のフォントをコンテンツの表示と印刷に使うことを認めている
注意:看板・ロゴ・商標登録についての明記はない。ロゴにするなら、フォントの提供元の条件を確かめる
Adobe
Fonts
商用の印刷物・ロゴに使え、作ったロゴは商標登録できる(フォント自体は登録できない)。解約しても、アウトライン化した文字やPDFに埋め込んだ文字はそのまま使える
できない:フォントのファイルを印刷会社へ渡す
モリサワ
Morisawa Fonts
すべてのプランで商用利用ができる
注意:ロゴなどの商標登録ができるのは、スタンダードプランなどで作ったもので、フリープラン・Webフォントプランで作ったものは登録できない
フォント
ワークス
LETS・mojimo
LETSはロゴに使え、商標登録もできる(書体の独占使用は不可。モトヤLETSは事前の有償契約、学生向けは不可)。mojimo(mojimo-select)は屋外の看板・サイン等の広告を使える範囲に明記し、解約後も印刷した成果物とフォントを埋め込んだPDFは使える
できない:フォントのデータを印刷会社へ渡す
Canva 印刷物・販促物に使える。フォントは、商標に使ってはいけない素材から除かれている
注意:テンプレートから作ったロゴや、写真・イラストの素材を使ったロゴは商標登録できない。フォントはCanvaの中か、書き出したデザインの一部としてだけ使える

※2026年10月20日時点の各社の使用許諾・よくある質問(OFL-FAQ、Microsoft「Windows font FAQ」、macOS Tahoe 26の使用許諾契約、Adobe Fonts フォントライセンスFAQ、Morisawa Fonts サポート、フォントワークスLETS・mojimoの使用許諾、Canvaコンテンツ使用許諾契約)。条件は変わることがあるので、使う前に最新の内容を確かめます。

看板のデータを印刷会社に渡すときは、フォントのファイルを一緒に送ることは、多くのライセンスで認められていません。文字をアウトライン化(図形に変換)するか、フォントを埋め込んだPDFにして渡します。店名をロゴとして商標登録するつもりなら、作る前に、使うフォントで商標登録ができるかを確かめておきます。また、ほかの会社のロゴにそっくりな文字を作ると、書体の著作権とは別に、商標権の侵害や不正競争にあたるおそれがあります。

切り文字・LED文字・カッティングシートは、書体で作れる大きさが変わる

角ゴシック体(Bold)明朝体0cm5cm10cm15cm20cm25cm30cm35cmLEDチャンネル文字表面の幅10mm以上LEDチャンネル文字・角ゴシック体:約7.7cm以上約7.7cmLEDチャンネル文字・明朝体:約33.3cm以上約33cm箱文字・切り文字線幅3mmを超える箱文字・切り文字・角ゴシック体:約2.3cm以上2.3cm超箱文字・切り文字・明朝体:約10.0cm以上10cm超ステンレス切り文字線2mm・高さ15mm以上ステンレス切り文字・角ゴシック体:約1.5cm以上約1.5cmステンレス切り文字・明朝体:約6.7cm以上約6.7cmカッティングシート線幅2mmの目安カッティングシート・角ゴシック体:約1.5cm以上約1.5cmカッティングシート・明朝体:約6.7cm以上約6.7cm
線の太さの下限から逆算した、作れる文字の大きさの下限(明朝体は横線=文字の大きさの約3%、角ゴシック体Boldは約13%で計算した、画数の少ない字の場合。画数の多い字では、角ゴシック体の下限はこの1.5〜2倍ほど。線の下限はグループの製作ページとサインシティの記事の値)

文字の形に切り出して作る看板には、作れる線の太さに下限があります。グループのCUVICのページでは、箱文字・切り文字は「線幅が3mm以下のものは製作できません」、ステンレスの切り文字は高さ15mm・線の太さ2mmが最小、LEDで光るチャンネル文字は文字の表面の幅10mm以上です。カッティングシートは、通販サイトで「線幅は最低2mm」と注意書きされていることが多いと、サインシティの記事が紹介しています(カッティングシートの加工とカス取り)。

この下限を、明朝体の横線(文字の大きさの約3%)と、角ゴシック体の太字(約13%)に当てはめると、図のようになります。LEDのチャンネル文字なら、角ゴシック体の太字は約8cmから作れますが、明朝体は約33cm以上。ただし、これは画数の少ない字の場合で、画数の多い字ではゴシック体でも線が細くなり、下限は1.5〜2倍ほどに上がります。明朝体も、はねやはらいの先はもっと細くなります。下限の値は製作会社によって違い、細い線を少し太らせて作れるようにする調整もできるので、書体を決める前に見積もりで確かめます(箱文字・切り文字のデータ作成のコツ)。

インクジェットで印刷したシートを貼る看板なら、細い線もそのまま出せます。この場合の制約は作り方ではなく、前の節の読める大きさです。ステンレスの切り文字とカルプ文字の違いは立体文字の比較、カッティングシートの種類はカッティングシートの選び方で比べました。

看板の入稿データの作り方:フォントと画像の注意

看板の入稿データで起きやすい不備のひとつが、フォントです。入稿先のパソコンに同じフォントがなければ、別の書体に置き換わります。しかも、多くのフォントのライセンスは、フォントのファイルを印刷会社に渡すことを認めていません。そこで、文字をアウトライン化(図形に変換)してから入稿します。サインシティの入稿は、Illustrator(.ai)かPhotoshop(.psd)のデータで、アウトライン化と、特色をプロセスカラーに変えること、確認用のPDFかJPGを付けることが条件です。

  • 仕上がりの大きさで作ったか(縮小して作るなら、縮尺を伝え、入稿先が受けるか確かめる)
  • 文字をすべてアウトライン化したか(Illustratorの「ドキュメント情報」でフォントが残っていないか)
  • 写真などの画像は、看板の実寸で100〜150dpiあるか
  • 色はCMYKで作ったか。特色はプロセスカラー(CMYK)に変えたか
  • 確認用のPDFかJPGを付けたか
  • 10MBを超えるデータは、ファイル転送サービスで送る

看板の大きさで作ると、画像のデータは紙のチラシとは桁違いに大きくなります。幅1,800×高さ900mmの看板を、グループのCUVICの目安の150dpiで作ると、画像は横10,630×縦5,315画素(約5,600万画素)。100dpiでも約2,500万画素です。看板を10分の1の大きさで作るなら、解像度は10倍(1,000〜1,500dpi)にします。グループのCUVICは10分の1の大きさで作るよう案内していますが、原寸のデータしか受け付けない会社もあるので、入稿先に確かめてから作ります。

Word・Excel・PowerPointで作ったデータは、そのままでは入稿データになりません。グループのCUVICは、Illustratorのデータに作り直す必要があり、データ作成費が別にかかるとしています。サインシティでは、デザインを頼むときに、Word・Excel・PDF・画像のファイルを添付できます。Canvaで作ったデザインは、印刷用のPDF(「PDF(印刷)」)で書き出すと、ロゴなどのデータがPNGより粗くなりにくいとサインシティの記事が紹介しています(Canvaで作ったロゴを看板に使うときの保存方法)。色の作り方はRGBとCMYKの違いを見てください。

印刷工場の作業台で、大判プリンターから出力した看板のシートの文字のふちを、作業者がルーペで確かめている手元
大判の出力は、文字のふちや写真の粗さを実寸で確かめる

フォントの伝え方:デザインを頼むときの指定の例

デザインを頼むときに「見やすい感じで」「おしゃれに」とだけ伝えると、思っていたものと違う案が出てきがちです。次の項目を、わかる範囲で伝えると、1回目の案から近いものになります。

伝えること 書き方の例
書体の種類 角ゴシック・丸ゴシック・明朝・筆文字・手書き風・欧文のどれか
フォント名
わかれば
例:Noto Sans JP、BIZ UDPゴシック。わからなければ、近い看板やロゴの写真
太さ 例:Bold、W6、「今の看板と同じくらい」
字間・長体 例:字間は少し詰める/長体はかけない
縦書き・横書き 縦書きなら、長音「ー」や数字の向きも
文字の色と地の色 色番号(DIC・PANTONE・CMYK)があれば。なければ見本の写真
ふち取り・影 写真の上に置くなら、ふち取りか帯を付けるか
英字・数字 和文と同じフォントか、欧文のフォントを使うか
伝え方の例(そのまま使えます)

店名「ひなた食堂」は、太い角ゴシック体(Noto Sans JPのBoldくらい)で、字間を少し詰めてください。電話番号と営業時間はBIZ UDPゴシックのBoldで。文字は紺、地は白。添付したAIの画像の雰囲気に近づけてください。看板は幅1,800mm×高さ900mmで、道の向かい側(約10m)から店名を読ませたいです。

フォントの名前がわからなくても、今の看板や、好きな店の看板・ロゴの写真を送れば、近い書体で作れるか相談できます。サインシティの記事でも、手書きのラフ、ロゴ、スマホで撮った写真、参考の画像、書体の希望を伝えるようすすめています(デザインを依頼するコツ)。依頼するときに伝えることや依頼先の選び方は看板デザインの依頼方法にもあります。

打ち合わせの机の上に、書体の見本を印刷した紙と、店の外観の写真、手書きのラフが並べられ、ペンで丸を付けている手元
フォントの見本や写真を見ながら、書体と太さを決める

ChatGPTなどのAIで作った画像で、看板は作れる?

作れます。AIで作った画像は、「こんな雰囲気にしたい」を伝える見本として役に立ちますし、背景の写真やイラストとして看板にそのまま使えることもあります。ただ、そのまま大きく印刷すると、解像度が足りない、文字が崩れている、色がくすむ、といったことが起きがちです。CUVIC大阪では、AIで作った画像も、AIのツールで高解像度にしたり、文字と背景を分けたPhotoshopのデータ(PSD)に作り直したり、文字をフォントで打ち直したりして、できる限り看板に使えるように対応しています。使えるかどうか迷ったら、まず一度その画像を送ってください。

解像度:AIの画像は、何m離れて見る看板なら足りる?

画像生成AIの画像は、看板に比べて画素が少なめです。OpenAIの画像生成(API)の標準のサイズは1024×1024・1536×1024・1024×1536画素で、新しいモデルでは最大3840×2160画素まで指定できます(2560×1440を超えるサイズは試験提供)。Googleのモデル(Nano Banana Pro)は1K・2K・4Kから選べ、標準は1K。Midjourneyは標準で1024×1024画素から始まり、2倍に拡大できます。

そのまま(長い辺1,536画素)縦横2倍に高解像度化(3,072画素)0m2m4m6m8m10m12mA1ポスターA1ポスター・1,536画素:約1.9m1.9mA1ポスター・3,072画素:約0.9m0.9m看板 幅900mm看板 幅900mm・1,536画素:約2.0m2.0m看板 幅900mm・3,072画素:約1.0m1.0m看板 幅1,800mm看板 幅1,800mm・1,536画素:約4.0m4.0m看板 幅1,800mm・3,072画素:約2.0m2.0m横断幕 幅3,600mm横断幕 幅3,600mm・1,536画素:約8.1m8.1m横断幕 幅3,600mm・3,072画素:約4.0m4.0m横断幕 幅5,400mm横断幕 幅5,400mm・1,536画素:約12.1m12.1m横断幕 幅5,400mm・3,072画素:約6.0m6.0m
画像の長い辺を看板の長い辺いっぱいに使ったとき、これより離れれば画素の粒が見分けにくくなる距離(視力1.0=視角1分で計算した目安)

図は、視力1.0の目が見分けられる細かさ(視角1分)を当てはめて、画素の粒が見分けにくくなる距離を計算したものです。横1,536画素の画像を幅1.8mの看板に伸ばすと、1画素は約1.2mm角(約22dpi)。4m以上離れて見るなら粒は目立ちにくい一方、グループのCUVICが目安にする実寸100〜150dpiと比べると、5分の1以下です。PhotoshopやCamera Rawには、画像を縦横2倍(画素数4倍)などに大きくする機能があり、近くで見る看板では、こうした高解像度化で粗さを抑えます。

画像のまま大きくした文字フォントで打ち直した文字1,536画素の画像を幅1.8mに伸ばすと、1画素は約1.2mm角近くで見るとふちが段々になり、色の境目もにじむ
左は小さな画像の文字を拡大したイメージ(画素の段が見える)、右は同じ文字をフォント(ベクター)で打ち直したもの

高解像度化しても、画像の中の文字は、画像のまま大きくなるだけです。しかも画像生成AIは、文字が崩れることがあります。OpenAIは、画像に入れる文字は短く正確に指定し、文字の正確さが大事な制作物はデザインソフトで仕上げるよう案内します。Midjourneyは、英語などのラテン文字でいちばんうまくいくとのことです。店名や電話番号は、AIの画像から切り離して、フォントで打ち直すのが確実です。Geminiのアプリで作った画像には、目に見える透かしが入ることもあるので、看板に使う前に確かめます。

スマートフォンの画面に、AIで作った飲食店の看板のデザイン画像を表示し、メッセージで送ろうとしている手元
AIで作った画像は、まず送って相談できる

AIで看板のイメージを作るときの頼み方

  • 看板の縦横の比率を伝える(幅1,800×高さ900mmなら「横長2:1」)
  • 店名・電話番号などの文字は、画像に入れないか、仮の文字にしてもらう
  • 文字を置くための余白を空けてもらう
  • ほかの店のロゴやキャラクター、作品の名前をプロンプトに入れない
  • いちばん大きいサイズ(できれば4K)で書き出す
プロンプトの例

飲食店の看板のデザイン案。横長2:1。木目の背景に、左側に湯気の立つ定食の写真。右側は文字を入れるための無地の余白を広く空ける。文字は入れない。

看板会社には、その画像と一緒に、入れたい文字(店名・電話番号・営業時間)をテキストで、看板の寸法と付ける場所の写真を送ると、文字をフォントで入れた仕上がりの案を作りやすくなります。

AIで作った画像を、看板に使ってもいい?

OpenAIの利用規約(日本語版、2026年1月1日発効)は、利用者がアウトプット(生成物)を所有するとしています。ただし、ほかの利用者にも似たものが生成されることがある、という一文もあります。Midjourneyも、作った画像は利用者のものとしています(年商100万ドルを超える事業者は上位のプランが必要)。

気をつけたいのは、既存の作品やロゴに似てしまうことです。文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」は、AIで作った画像でも、著作権侵害になるかどうかは、人が作った場合と同じく、既存の著作物に似ているか(類似性)、それをもとにしたか(依拠性)で判断されるとしています。文化庁のチェックリストは、使う前に既存の作品に似ていないかを確かめ、プロンプトなど生成の過程を確かめられるようにしておくことをすすめています。また、AIが自動で作っただけの画像は著作物にあたらず、人が創作的に手を加えた部分が著作物になり得る、という考え方も示されています。

看板の文字のデザインは、3通りの頼み方がある

頼み方 用意するものと料金
データを作って入稿
Illustrator・Photoshop
用意:.aiか.psdのデータと、確認用のPDFかJPG
料金:デザイン費はかからない。グループのCUVICでは、Illustratorの完全なデータなら取り付けまで実働7〜10日程度(看板の種類による)
デザインから頼む
手書き・写真・ロゴ
用意:手書きのラフ、店の外観の写真、ロゴ、入れたい文字
料金:サインシティは配置だけなら5,000円(税抜)、簡単なデザイン8,000円(税抜)、写真の加工を含むと20,000円〜(税抜)。グループのCUVICでは、デザインからなら取り付けまで実働14日から
AIの画像・Canva・Word
から頼む
用意:そのファイルと、店名などの文字・看板の寸法をテキストで
料金:高解像度化や文字の打ち直しなど、作り直す内容で見積もり

※2026年10月20日時点。サインシティの料金は「デザインから依頼をされたい方」のページ(看板の表示面のデザイン。本体・印刷・送料は別)、納期はグループのCUVICのよくある質問の目安です。CUVICの料金の目安のページでは、デザイン費は簡単なレイアウト5,500円〜から、写真加工を含む22,000円〜・27,500円〜までの5段階です(ロゴや写真を支給した場合、税の表記なし)。

CUVIC大阪は、データ入稿での製作だけでも、デザインから取り付けまでのご依頼でも受けています。デザインの料金は内容で変わるので、見積もり(無料)でお出しします。問い合わせのフォームには画像を1つ添付でき、複数の画像やAIの画像はLINEでも送れます。

看板のフォントについてよくある質問

看板の文字の大きさは、pt(ポイント)で指定してもいい?

看板では、ptより「文字の高さ◯cm」で伝えるほうが確実です。1ptは約0.35mmなので、100ptでも約3.5cm。看板の文字は数十cmになることも多く、ptでは数字が大きくなりすぎます。また、Illustratorで指定できる文字の大きさは1,296pt(約46cm)までなので、それより大きな文字は、アウトライン化してから拡大するか、看板を縮小した大きさで作ります。

縦書きの看板で、気をつけることは?

縦書きでは、長音「ー」や「〜」、かっこが縦向きの形に変わります。デザインソフトで縦組みにすれば自動で替わりますが、横書きの文字を1字ずつ縦に並べると横向きのまま残るので、仕上がりの見本で確かめます。2〜3桁の数字は横に並べて1文字分に収めるか(縦中横)、1字ずつ縦に並べるかを決めておきます。

電話番号や数字に向くフォントは?

数字の「0」と英字の「O」、「1」と「l」が見分けやすい、UDフォントや角ゴシック体の数字が向きます。BIZ UDゴシックには、漢字・かなは全角、英数字は半角の決まった幅でそろう「BIZ UDゴシック」と、かなや英数字の幅が字ごとに変わる「BIZ UDPゴシック」があり、看板の店名や案内にはPの付いたほうが字間が詰まって見えます。ハイフン(-)は小さく細いので、電話番号は数字のまとまりの間を少し空けると、遠くからでも区切りがわかります。

今の看板と同じ書体で作り直したいときは?

前に作った会社に、元のデータ(Illustratorのファイル)が残っていないか確かめるのが早道です。データがなければ、看板を正面から撮った写真を送ると、近い書体で作り直せるか相談できます。古い看板の文字は、職人の手書きや、今は手に入らない書体のこともあり、まったく同じにはならない場合があります。

英語・中国語・韓国語も入れるときのフォントは?

Notoのフォントには、日本語のほかに中国語(簡体字・繁体字)・韓国語の書体があり、デザインをそろえられます。東京都の案内サインの指針(鉄道等編)では、英語などの表記は日本語の文字サイズの4分の3程度です。言語ごとに書体の雰囲気が変わると、同じ看板の中でばらばらに見えるので、同じ書体の家族でそろえるのが無難です。

手書きの文字(店主の字や、子どもの字)を看板にできる?

できます。白い紙に黒いペンで太めに書き、できるだけ明るい場所で、真上から大きく撮るかスキャンして送ります。データにするときは、文字のふちを図形になぞり直す(トレースする)作業が入り、データ作成費がかかることがあります。切り文字にするなら、前の節の線の太さの下限に届くよう、線を太らせて整えます。

書体に迷ったら、写真やAIの画像を送ってください

今の看板の写真、手書きのラフ、AIで作った画像、Canvaのデータなど、手元にあるもので相談できます。CUVIC大阪が、読みやすい書体と大きさを提案し、データ作りから製作・取り付けまで全国で承ります。

0120-944-599受付時間:平日 9:00〜17:00(土日祝休み)

参考資料

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