カッティングシートの選び方|屋外用・屋内用の種類と耐候年数、3M・中川などメーカーの違いと値段

カッティングシートは、まず貼る場所(屋外か屋内か、ガラス・車・電飾看板・テントか)で種類をしぼり、次に屋外で何年持たせたいかでシリーズを選びます。たとえば店の看板やガラスの文字を何年も貼り替えずに使うなら、3Mが約8年の耐候性を示すスコッチカル XL、5年ほどで掛け替える予定なら約5年のスコッチカル J、数か月だけのセールの表示なら中川ケミカルのレギュラーのような一般品で足ります。

耐候年数は、メーカーが条件を決めて出している目安で、保証値ではありません。この記事では、屋外用と屋内用の違い、メーカーとシリーズの違い、ガラス・車・電飾看板など貼る場所ごとの注意、色・厚み・のり・アプリケーションシートの選び方、1mの値段と1年あたりの費用を、メーカーの資料をもとにまとめました。シートだけ買う、文字を切った状態で買う、看板として製作だけ頼む、取り付けまで頼む、のどれにも全国で対応しているので、頼み方は最後の章に書きました。

貼る場所 選ぶシートの例
看板の文字
屋外・5年以上
屋外用の長期品
3M スコッチカル XL(約8年)
看板・ガラスの外側
屋外・3〜5年
屋外用
3M スコッチカル J(約5年)、ダイナカル・タックペイント(5〜7年)
期間限定の表示
屋外・1年以内など
屋外で使える一般品
中川ケミカル レギュラー(約3か月〜3年。色による)
ガラスの内側
外から見せる
文字を左右反転して切る「内貼り」
日が当たる窓なら屋外用から選ぶ
電飾看板
内側から光る
光を通す透過(電飾用)
光を止める部分はブロックアウト
車のボディ 平らな面なら屋外用
凹凸・リベットには対応する品、大きな曲面はラッピング用
テント テント用(中川ケミカルのテンタックなど)
店内の壁・什器
屋内
屋内用(つや消しが多い)
夜に光らせたい 反射(3M スコッチライト 680)・蓄光

※耐候年数は、メーカーの資料とサインシティの表示による目安で、保証値ではありません。3Mの値は「日本国内の標準的な環境下で屋外垂直サインに施工した場合」の目安です。

カッティングシートとは:印刷のシートや内装のフィルムとの違い

カッティングシートは、色の付いた塩ビなどの薄いフィルムに、のりと台紙(剥離紙)が付いたシートです。カッティングプロッターで文字やロゴの形に切り、まわりの要らない部分(カス)を取り除いてから、アプリケーションシートで文字の並びを保ったまま貼ります。看板の業界では「マーキングフィルム」とも呼ばれ、グループのCUVICは「看板やウィンドウサイン、カッティングシート文字などに使われる粘着剤付きの単色フィルム材」と説明します。「カッティングシート」は中川ケミカルの登録商標で、今では同じ種類のシートの一般的な呼び名としても使われています。

看板の工房で、カッティングプロッターが白いシートから文字を切り抜き、隣で作業者がピンセットで文字のまわりのカスを取っている手元
プロッターで文字を切り、まわりのカスを取るイメージ

色はフィルムそのものの色なので、1枚のシートで出せるのは1色です。写真やグラデーションは表せず、CUVIC大阪も「写真を掲載されたい場合やグラデーションなどを入れたい場合には、カッティングシートでは表現ができない」としています。その場合は、インクジェットで印刷したシートを使います(インクジェット出力シートとは?)。逆に、店名やロゴ、営業時間のような1〜2色の文字は、輪郭がくっきり出て、印刷より色あせにくいので、カッティングシートが向きます。

「カッティングシート 種類」で探すと、木目や石目の柄が付いた内装用の化粧フィルム(3Mのダイノックシートなど)も出てきます。壁や扉、家具を覆うための厚手のフィルムで、文字を切って貼る看板用のカッティングシートとは別の製品です。この記事は、看板用のカッティングシートの選び方を扱います。

貼る場所でシートの種類が決まる

1453261看板の文字屋外用。5年以上なら長期の品2ガラスの外側屋外用。雨と日差しが直接当たる3ガラスの内側文字を左右反転で切る(内貼り)4電飾看板光を通す透過(電飾用)5テントテント用(布に貼れるもの)6車のボディ曲面・凹凸に沿うもの
カッティングシートを貼る主な場所と、向くシートの種類(イメージ)

同じ店でも、看板の文字、ガラスの外側と内側、電飾看板、テント、車では、向くシートが違います。雨と日差しを直接受ける看板やガラスの外側は屋外用、ガラスの内側から外へ見せる文字は左右を反転して切る「内貼り」、内側から光らせる電飾看板は光を通す透過のシート、布のテントにはテント用、凹凸のある車の面にはそれに沿う品を選びます。まず貼る場所で種類を決め、そのうえで屋外で何年使うかでシリーズを選ぶと、迷わずにすみます。

屋外用と屋内用の違い

屋外用のシートには、屋外でどれくらい持つかの目安(耐候年数)が、メーカーやシリーズごとに示されます。サインシティの解説では、目安は数か月〜1年(短期)、3〜5年(中期)、5〜7年(中長期)、8年(長期)に分かれ、蛍光やメタリックは一般に短め、表面は大半がグロス(光沢)です。屋内用は耐候性の目安がなく、屋外で長く使うことは想定していません。表面は大半がマット(つや消し)で、店内の照明が映り込んで読みにくくなるのを防ぎます(屋外用・屋内用の解説)。

屋内でも、日差しを受ける窓ぎわや、何年も貼っておく表示は、屋外用から選ぶほうが色あせの心配が少なくなります。反対に、屋外用は屋内でもそのまま使えるので、屋外と屋内で同じ色をそろえたいときは、屋外用で統一すると色がずれません。

中川ケミカルの「カッティングシート®」レギュラーは215色あり、のりは貼り直しやデザインの変更に向く再剥離タイプです。耐候性は色によって違い、サインシティの表示では屋外で約3か月〜3年です。屋外の耐候性を強めた強粘着の「ストロング」(4色、屋外〜3年・参考値)もあります。

耐候年数で選ぶ:屋外で何年持つか

0年2年4年6年8年10年3M スコッチカル XL3M スコッチカル XL 約8年約8年3M スコッチカル J3M スコッチカル J 約5年約5年ダイナカル DCダイナカル DC 5〜7年5〜7年タックペイントタックペイント 5〜7年5〜7年中川ケミカル レギュラー中川ケミカル レギュラー 約3か月〜3年約3か月〜3年
屋外での耐候年数の目安(メーカー・販売店の公表値。保証値ではありません。幅のある品は、薄い色の部分が色などによる差)

耐候年数は、メーカーが試験の条件を決めて出している目安です。3Mは、スコッチカル XLを約8年、Jを約5年としていて、どちらも「日本国内の標準的な環境下で屋外垂直サインに施工した場合」の値で、保証値ではありません。トーヨーケムのダイナカル(DC)は5〜7年で、透明とメタリックは3年です。中川ケミカルのレギュラーは、メーカーが「色によって異なる」としていて、サインシティの表示では約3か月〜3年と幅があります。

目安は屋外の垂直な面での値なので、車の屋根やボンネットのような水平な面は、日差しと雨を真上から受けて、目安より短くなると考えておきます。耐候性は使う条件や環境で大きく変わるので、日差しの強い南や西を向いた面や、海沿いの看板も、目安より早く傷むことがあります。

選ぶときは、看板を何年使うかから逆算し、目安に余裕のあるシリーズにします。5年以上使う看板の文字なら約8年のXL、3〜5年で内容を変える看板なら約5年のJ、という分け方です。シートが傷んでから貼り替えると、古いシートを剥がす手間と施工費がそのたびにかかり、CUVIC大阪の目安では看板の表示面のシートの貼り替えは77,000円〜(税込)です。長く使う看板ほど、1mあたりの値段の差より、貼り替えの回数の差が総額に効いてきます。

メーカーとシリーズの違い

シリーズ 耐候・色数・幅
3M スコッチカル XL
スリーエム ジャパン
約8年/不透過190色・透過103色
幅1,000mm(一部1,220mm)×50m巻
3M スコッチカル J
スリーエム ジャパン
約5年/不透過152色・透過55色(計207色)
幅1,000mm×20m巻(白・黒は50m巻も)
ダイナカル DC
トーヨーケム
5〜7年(透明・メタリックは3年)/185色
幅1,020mm
タックペイント
リンテックサインシステム
5〜7年(サインシティの表示)
幅1,000mmなど
中川ケミカル レギュラー
中川ケミカル
色によって約3か月〜3年/215色・再剥離タイプの糊
幅450・1,010・1,200・1,300mmなど
中川ケミカル ストロング
中川ケミカル
屋外〜3年(参考値)・強粘着/4色

※耐候年数・色数は、3M・トーヨーケム・中川ケミカルの資料と、サインシティの表示(タックペイント、中川ケミカル レギュラーの年数、幅)によります。どれも保証値ではなく、色や貼る向き、地域で変わります。サインシティには、ほかにタフカル、モウカル、エコパレット ハルカラーなどもそろいます。

国内で看板用のカッティングシートを販売している主なメーカーは、3M(スコッチカル)、中川ケミカル(カッティングシート®・テンタック)、トーヨーケム(ダイナカル)、リンテックサインシステム(タックペイント・ハルカラー)です。検索では「最強」「おすすめ メーカー」と探す方も多いのですが、どれか1社が何にでも勝つわけではなく、耐候年数・色数・のりの種類・幅・値段の組み合わせで選び分けます。

屋外で長く使う看板と、ロゴの色を合わせたい看板なら、耐候年数が長く色数の多い3Mのスコッチカル。貼り直しやデザインの変更が多い店内の装飾や、短い期間の表示なら、色が多く再剥離タイプののりの中川ケミカルのレギュラー。ダイナカルとタックペイントは、5〜7年の屋外用として、看板から車まで幅広く使われる標準品です。

3M スコッチカルの選び方:XL・J・機能性フィルム

スコッチカルは、3Mのマーキングフィルムのシリーズ名です。屋外の看板のように長く使うものには、耐候年数・色数・汚れにくさの面で、まず候補に入れたいシートです。

XLシリーズ:何年も貼り替えない看板に

XLは、3Mが「耐候性、耐汚染性を飛躍的に高める表面処理層により、長期にわたり初期の美しさを保つ3Mで最も実績のあるフィルム」と紹介する長期用で、耐候年数は約8年です。表面の処理で汚れが付きにくく、色は不透過190色・透過103色です。サインシティも、XLを「実績も豊富で信頼のおけるマーキングフィルム」と紹介し、銀行や企業のコーポレートカラーにも多く使われていると説明します。会社や店のロゴの色を看板で正確に出したいとき、色数の多さが効きます。

オフィスビルの1階の壁面看板に、紺色の切り文字で社名「みなと物産」が貼られている様子
長く使う壁面看板の文字のイメージ

Jシリーズ:5年ほど使う看板・ガラスの文字に

Jは、約5年の屋外耐候性とカッティング性能をうたうシリーズで、不透過152色・透過55色の計207色です。サインシティでは白(SC001)が1m 1,430円と、中川ケミカルのレギュラーの白(2,750円)より安く、耐候年数は長い目安です。店のガラスの文字や、数年で内容を変える看板なら、まずJを選び、色がJにないときや8年近く持たせたいときにXLへ広げる、という選び方ができます。

機能性フィルム:汚れ・光・反射などの目的に

スコッチカルには、目的に合わせた機能性のフィルムもあります。セルフクリーニングは、煤煙や排気ガスなどの油系の汚れを雨で洗い流す機能が、貼って約3か月〜半年で備わります(雨だれを完全には防げません)。ブロックアウト(3635)は電飾看板の光を止めるフィルムで、光の透過は0.001%以下、約5年です。スコッチライト 反射グラフィックフィルム 680は、微小なガラス粒子で光を光源の方向へ返し、波板やリベットのある面にもなじみます。ほかに、ガラスや鏡などの平滑な面に貼るメタリック(JS8801・JS8802、約3年)、蛍光(3480、約2年)、1年以内に剥がせばのりがほとんど残らない再剥離(3470M)があります。

3Mのシートを貼る面・温度・保管の条件

XLとJは、平らな面に貼るシートです。3MはXLについて「凹凸のある下地には使用しないでください」とし、Jも平滑な面向けで、波板(コルゲート板)には使えません。貼るときの最低温度も決まっていて、3Mは不透過で10℃、透過で16℃(XLの透過の一部は10℃)としています。未使用のシートは、直射日光を避けた乾燥した場所で38℃以下、1年が保管の目安です。

サインシティでは、3Mと連携して、スコッチカル フィルムのJ・XL・機能性の販売に力を入れています。1m単位の切売りから50m巻まで選べ、XLの色見本帳は無料で取り寄せられます(無料の会員登録が必要)。色は3Mのカラー表で品番を確かめられ、在庫のある品は最短で即日出荷です。グループのCUVIC(キュービックシティ)は、3Mが指定するメディア・ラミネート・プリンター・インクの組み合わせで製作した印刷のグラフィックスに、最長6年間の品質保証を付けられる「3M MCS保証プログラム」の認定店でもあります。

貼る場所ごとの選び方と注意

ガラス(店の窓・扉)

外貼り外(道路)内(店内)内貼り外(道路)内(店内)シート(色の面)のり(粘着剤)ガラス外貼り文字は正しい向きで切る。色の面が外を向く内貼り文字を左右反転して切る。外からはガラス越し
ガラスに貼るときの外貼りと内貼り(上から見た断面。厚みは誇張しています)

ガラスへの貼り方は、外側に貼る「外貼り」と、内側に貼って外から見せる「内貼り」の2通りです。外貼りは色がそのまま見えて目立ちますが、雨や日差し、窓ふきのこすれを直接受けるので、屋外用を選びます。内貼りは、文字を左右反転(鏡文字)で切り、のりの面をガラスに貼ります。雨やいたずらから守られる一方、外からはガラス越しに見えるので、色の鮮やかさは少し落ちます。サインシティの店舗用カッティングシートは、窓の外側・内側のどちらにも対応し、内側から貼るときは鏡文字のデータで作ります。くわしい比べ方はウィンドウサインの内貼り・外貼りにまとめました。

ガラスに色の濃いシートを広く貼ると、日差しで熱くなったガラスの中央と、サッシに隠れて冷たいままの端との温度の差で、端から割れることがあります(熱割れ)。板硝子協会は、網入りガラスの許容応力を9.8MPa(フロートガラスは17.7MPa)と示し、ポスターの貼り付けも熱割れの要因に挙げています。3Mも、ガラスに貼る前に熱割れの計算をするよう案内します。網入りガラスや大きな窓に濃い色を貼るときは、シートの販売店かメーカーに確かめてから決めます。

許可については、窓ガラスの内側から貼った表示は、大阪市・大阪府とも屋外広告物に当たらないとしています。外側に貼る店名などは屋外広告物として扱われることがあるので、大きく貼るときは市の窓口で確かめます。

飲食店の入口のガラス扉に、白い切り文字で店名「ひなた珈琲」と営業時間が貼られている様子を、外から見たところ
ガラス扉にカッティングシートの店名と営業時間を貼ったイメージ

車

社用車の社名や電話番号なら、ドアやパネルの平らな面には屋外用のカッティングシートで十分です。プレスラインのくぼみ、リベット、波板のような面には、それに沿う品が要り、3Mのスコッチカル J・XLのような平らな面向けのシートは避けます。車全体を覆う、曲面に大きく貼るといった使い方は、伸ばしながら曲面に沿わせるカーラッピング用のフィルムの出番です(カッティングシートとカーラッピングフィルムの違い)。

窓ガラスには決まりがあります。前面ガラスと、運転席・助手席の横のガラスには、検査標章などの決められた標章や、貼っても透明で視界を妨げないものなどを除き、ものを貼ることができません(道路運送車両の保安基準第29条第4項、細目告示第195条)。運転席より後ろの側面の窓は、この決まりの対象外です。また、大阪市では、車体に表示する広告物も許可の対象です。自社の社名や店名を表示する「自家用広告物」は表示面積が7㎡を超えると申請が要り、他社の広告など、それ以外の広告物は大きさにかかわらず申請が要ります(原動機付自転車と自転車は対象外)。ほかの市町村では、それぞれの条例を確かめます。

白いワンボックスの社用車の側面に、紺色の切り文字で社名「さくら電気工事」と電話番号が貼られている様子(電話番号はぼかす)
社用車の側面にカッティングシートで社名を貼ったイメージ

電飾看板(内側から光る看板)

内側から光らせる看板の面には、光を通す透過のシートを使います。3Mのスコッチカルは、XLの透過が103色、Jの透過が55色あり、ダイナカルやタックペイントにも電飾用があります(電飾用のカッティングシート)。透過のシートは、昼(消灯)と夜(点灯)で色の見え方が変わるので、色見本を光にかざして確かめます。文字の縁や背景など、光を止めたい部分にはブロックアウトを重ねます(3Mの3635は、約50mm角より小さい文字は切れない場合があります)。

夜の商店街で、内照式の袖看板の文字と色が明るく光っている様子
透過のシートで作った電飾看板が夜に光っているイメージ

テント・壁・凹凸のある面

テントの布(ターポリン)には、布に貼れるテント用を使います。中川ケミカルのテンタックは、テント生地や表面の粗い素材に貼れるシートとして売られています(テント用のカッティングシート)。コンクリートや、ザラザラした壁・ガラス・金属、塗装していない木材、布などは、普通のシートだと付きにくく、剥がれやすくなります(カッティングシートが貼れない素材は?)。凹凸のある壁一面に大きく表示したいときは、圧着して貼る3Mペイントフィルムの壁面サインのような方法もあり、CUVIC大阪が全国で施工を受けます。

色の選び方

パソコンの画面やカタログの印刷と、実物のシートの色は違って見えます。色は色見本帳で選ぶのが確実で、サインシティでは、3M スコッチカル XL・3M ペイントフィルム・ダイナカルの色見本帳と、タックペイント ベーシックシリーズ(NBS/BS)の実物サンプル(2色まで)を、無料・送料無料で取り寄せられます(無料の会員登録が必要)。3Mの色は、ウェブのカラー表でも品番を確かめられます。

看板の前で、扇のように広げた色見本帳を手に持ち、壁の色とシートの色を見比べている手元
色見本帳で看板の文字の色を選ぶイメージ

遠くから読ませる文字は、地の色との明るさの差を大きくします。白い板なら紺や黒、濃い色の板や暗い店内の見えるガラスなら白や黄が読みやすくなります。濃い色の上に白い文字を貼るときは、下の色が透けにくい高隠ぺいの白(3MのJS2010XLなど)を選ぶと、白が濁りません。同じ白でも、つやのあるグロスと、つや消しのマットで見え方が変わるので、照明の映り込みも考えて選びます。

厚み・のり・アプリケーションシートの選び方

カスを取った部分文字文字アプリケーションシート文字を移す転写用。貼ったらはがすフィルム色の付いた塩ビのり(粘着剤)恒久タイプ・再剥離タイプ剥離紙(台紙)プロッターは切らずに残す橙の線:プロッターの刃が入るところ(フィルムとのりだけを切る)フィルム+のりの厚さ:3M スコッチカル J 0.08〜0.09mm、XL 0.08〜0.11mmダイナカル:フィルム50μm(0.05mm)+のり30μm(0.03mm)
切った文字の断面(厚みは誇張しています。厚さはメーカーの資料の代表値)

看板用のカッティングシートは、フィルムとのりを合わせて0.1mm前後の薄いものです。3MのスコッチカルはJが0.08〜0.09mm、XLが0.08〜0.11mm(のりを含む代表値)、ダイナカルはフィルム50μmにのり30μmです。薄いので、看板の板やガラスに貼ると段差がほとんど出ず、プロッターでも細かい文字まで切れます。

のりは、長く貼っておく「恒久タイプ」と、きれいに剥がせる「再剥離タイプ」に分かれます。3Mのスコッチカル J・XLは恒久タイプ、中川ケミカルのレギュラーは再剥離タイプで、ストロングは強粘着です。1年以内に剥がすキャンペーンの表示なら、3Mの再剥離(3470M)のように、剥がしたときにのりが残りにくい品を選びます。

アプリケーションシート(リタックシート)は、切った文字の並びを保ったまま移すための転写用のシートで、紙と透明のフィルムがあり、のりの強さも選べます。3Mは、大きな文字や太い線の図柄には「プリマスキング」用、小さな文字や細い線で、カス取りのあと台紙が広く出る図柄には「プリスペーシング」用のテープをすすめていて、どちらにも紙と透明のタイプがあります。透明のタイプは、貼る位置を目で合わせやすいのが利点です。サインシティでは、リンテックのAP415(中粘着、490mm×20m)が4,620円(税込)で、アプリケーションシートの一覧から幅と長さを選べます。

必要な長さと、切れる文字の大きさ

サインシティの切売りは1m単位です。シートの幅は1,000mm前後が多く、文字の高さを幅の方向、文字の並びを長さの方向に取って切ります。たとえば高さ200mm・幅180mmの文字6つを、20mmの間をあけて1行に並べると、まわりの余白を除いて長さは1,180mmになり、1mでは足りないので2m買います。2文字ずつ3段に並べて切れば、長さは380mmで1mに収まり、貼るときにアプリケーションシートで並べ直します。

小さな文字や細い線ほど、カス取りのときに文字が台紙から浮いたり、貼るときにずれたりしやすくなります。どこまで小さく切れるかは、プロッター、刃、シートの厚み、書体で変わり、多くのシートでは、メーカーは一律の数字を示していません(3Mのブロックアウト 3635のように「文字サイズの下限は、50mm角程度を目安」と示す品もあります)。中川ケミカルは、スペシャルシリーズの7100・7101・7900を、細かい文字のカス取りが簡単なシートに挙げます。細い書体の小さな文字は、試し切りをしてから本番に入るか、印刷のシートに切り替えます。

値段の目安と、1年あたりの費用

シート 1mの値段
3M スコッチカル XL
白 JS1000XL・幅1,000mm
4,070円
黒 JS1500XLも4,070円、メタリックなどは6,270円
3M スコッチカル J
白 SC001・幅1,000mm
1,430円
色によって2,200円など
中川ケミカル レギュラー
白 711・幅1,010mm
2,750円
ダイナカル DC
白 DC1001・幅1,020mm
2,750円
電飾用 DS1833は3,300円
タックペイント
白 TP02・幅1,000mm
2,970円
電飾用 THS090(幅1,010mm)は4,400円
タフカル
4711G・幅1,010mm
3,630円
3M セルフクリーニング
JS1000SCL-P
6,380円
3M ブロックアウト
3635-20B・幅1,220mm
8,580円
3M 反射
スコッチライト 680・幅914mm
14,300円

※サインシティの表示価格(2026年10月20日時点、税込)。1m単位の切売りの価格です。ロールなら、3M スコッチカル Jの白(SC001)20m巻が22,000円、XLの白(JS1000XL)50m巻が184,470円です。送料は商品と届け先で変わり、切売りの品は返品・交換ができません。

1mの値段だけで比べず、耐候年数で割った1年あたりで見ると、シートの選び方が変わります。白のシートで計算すると次のとおりです。

シート 1年あたり
3M スコッチカル J
1,430円・約5年
約290円
3M スコッチカル XL
4,070円・約8年
約510円
ダイナカル DC
2,750円・5〜7年
約390〜550円
タックペイント
2,970円・5〜7年
約420〜590円
中川ケミカル レギュラー
2,750円・最長3年
約920円

※白のシート1mの値段(サインシティ、税込)を、耐候年数の目安で割った値。年数が幅のある品は、短いほうと長いほうの両方で計算しました。中川ケミカル レギュラーは最長の3年で割りました。

3Mのスコッチカル Jは、1mの値段も1年あたりの費用もいちばん安い結果です。XLは1mの値段は高いものの、8年持たせれば1年あたり約510円で、最長3年の一般品を貼り替えながら使うより安くなります。しかも貼り替えのたびに、剥がす手間と施工費がかかるので、長く使う看板ほど3Mのような耐候年数の長いシートが有利です。

シートを買って貼るか、文字や看板を頼むか

カッティングシートの手に入れ方は、シートを買って自分で切って貼る、文字を切った状態で買って自分で貼る、看板として製作だけ頼む、取り付けまで頼む、の4通りです。プロッターがあればシートを1mから買い、なければ切った文字を買うのが近道です。

サインシティの店舗用のカッティングシートは、窓の外側・内側、車、壁に貼る文字を作り、文言を伝えればデザインも作れます。サインシティは「通販でご購入頂き、お客様ご自身で貼ることで大幅なコストカットが可能です!」とし、施工を頼むと数万円が上乗せになるのが相場だと説明しています。

看板の製作だけを頼み、取り付けは自社でする、という依頼も大歓迎です。CUVIC大阪は「看板製作のみでの販売も、看板設置工事までトータルなご依頼もどちらも大歓迎です!」とし(看板の外注)、カッティングシートのウィンドウサインも、自分で貼るなら製作・通販、貼り付けまでなら施工ありで「北海道から沖縄まで全国ご対応が可能です!」としています(ウィンドウサイン)。高い場所の看板や、大きなガラス面、何台もの社用車も、全国でまとめて引き受けます。

自分で貼るときの流れ

  1. 貼る面をきれいにする油分とほこりを中性洗剤や脱脂で落とし、よく乾かします。ガラスの外側や車は、雨の日や結露のある朝を避けます。
  2. 位置を決めて仮留めするアプリケーションシートごと文字を当て、水平を見ながら上の辺をマスキングテープで留めます。
  3. 台紙をはがしてこする台紙を少しずつはがしながら、スキージー(へら)で中心から外へ空気を押し出して貼ります。
  4. アプリケーションシートをはがす文字が浮かないよう、シートを折り返すように低い角度でゆっくりはがし、端をもう一度押さえます。
アルミ複合板の看板の上に、アプリケーションシートごと切り文字を置き、スキージーで押さえて貼っている手元
アプリケーションシートで切り文字を看板に貼るイメージ

カッティングシートを買う前に確かめること

次のことを決めておけば、届いてから「屋外で使えなかった」「長さが足りない」「色が違った」という失敗を防げます。

  • 屋外か屋内か。屋内でも、日が当たる窓ぎわか
  • 何年使うか。耐候年数の目安に余裕のあるシリーズか
  • 貼る面は何か(ガラス・塗装・金属・布)。平らか、凹凸・リベット・曲面があるか
  • ガラスなら外貼りか内貼りか。網入りガラスや大きな面に濃い色を貼らないか
  • 電飾看板なら、透過のシートか。光を止める部分はあるか
  • 色は色見本で確かめたか(透過は光にかざして)
  • 文字の大きさと細さ。いちばん細い線が切れて、カス取りできる太さか
  • 必要な長さ(切売りは1m単位)と、シートの幅
  • 貼る日の気温(3M スコッチカルは不透過10℃以上、透過は多くが16℃以上)
  • のちに剥がす予定があるか(恒久タイプか、再剥離タイプか)
  • ガラスの外側や車体に大きく表示するなら、屋外広告物の許可が要らないか

カッティングシートについてよくある質問

カッティングシートに印刷はできますか?

無地のカッティングシートは、色の付いたフィルムを切って使うもので、インクジェットで写真などを印刷するようには作られていません(シルクスクリーン印刷ができる品はあります)。写真やグラデーション、細かい多色の絵柄は、インクジェットで印刷するシートに印刷し、ラミネートで保護してから形に切ります。文字やロゴが1〜2色なら、カッティングシートのほうが色あせにくく、輪郭もくっきり出ます。

古いカッティングシートは、どうやって剥がしますか?

ドライヤーなどで温めてのりを柔らかくし、端から低い角度でゆっくり引きはがします。広い面や、硬くなって剥がれにくいシートには、塩ビのフィルムに染み込んで剥がしやすくする剥離剤を使い、残ったのりは糊落とし材で拭き取ります(サインシティでは、塩ビ系フィルム剥離剤のカルキラープラス4Lが13,750円、糊落とし材のスチャットリムーバー R-1600 1Lが3,828円、税込)。何年も屋外で貼っていたシートは、フィルムが硬くなって細かく割れやすく、恒久タイプののりは残りやすくなります。塗装面は、剥離剤で塗装が傷まないか、目立たない場所で試してから使います。

買ったシートは、どれくらい保管しておけますか?

3Mの決めたスコッチカルの保管の条件は、直射日光を避けた乾燥した場所で38℃以下、期間は1年です。夏の車内や、日の当たる窓ぎわの倉庫は避けます。ロールで買ったときは、使う分だけ切り出し、残りは箱や袋に戻しておくと、ほこりや折れ癖を防げます。

冬でも自分で貼れますか?

3Mは、スコッチカルを貼るときの最低温度を、不透過で10℃、透過で16℃(XLの透過の一部は10℃)としています。トーヨーケムはダイナカルの適温を10〜30℃とします。寒い日は、貼る面とシートだけでなく、まわりの空気も温めてから貼り、貼ったあとも急に冷えないようにします。屋外の看板なら、暖かい時間帯を選ぶと失敗が減ります。

店内の壁に貼るとき、燃えにくさ(不燃)は関係ありますか?

飲食店や物販店などで、建築基準法の内装制限がかかる部屋の壁や天井は、仕上げに燃えにくい材料を使う決まりがあります。3Mのスコッチカルの一部の品番は、決められた下地と組み合わせた構成で国土交通大臣の不燃材料の認定を受けていますが、認定は品番と下地の組み合わせごとです。対象の品番が見直されることもあり、3Mは2022年に、一部の製品が認定の範囲から外れていたことを公表しています。使う品番と下地が認定に入っているかは、3Mか販売店に確かめます。3Mは、内装用のダイノックフィルムについても、重ね貼りすると不燃認定に該当しないとしています。壁一面に貼るような使い方は、建物の設計者や管理会社に確かめてから進めます。

看板の文字だけ、カッティングシートで貼り替えられますか?

アルミ複合板やアクリルの看板なら、古いシートを剥がして、新しいシートを貼り直せます。店名や電話番号が変わったとき、色があせてきたときに、看板の本体を残したまま表示だけ新しくできます。CUVIC大阪の看板の張り替え費用の記事では、表示面のシートの貼り替えを77,000円〜(税込)、シートの製作だけ(自分で貼る)を数千円〜としています。

カッティングシートの購入から、切り文字・看板の製作・取り付けまで

3M スコッチカル(J・XL・機能性)をはじめとするカッティングシートは、サインシティで1mの切売りから注文できます。文字を切った状態での購入、看板として製作だけ、取り付けまでの依頼も、全国で承ります。

0120-944-599受付時間:平日 9:00〜17:00(土日祝休み)

参考資料

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